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髪と心を整えながら『&acca』で過ごす時間を通じて、「自分自身に還る感覚」を取り戻す

書き手 maiko

浦和駅西口から徒歩10分ほどに鳥居がないことで有名な「調(つき)神社」がある。神域を守っているのは狛犬ではなく狛兎なことも大変珍しく、その名称から「ツキを呼び込む」神社ともいわれているパワースポットだ。そんな多くの人々から親しまれている神社近くに2020年春、オープンした美容室 『&acca 』。

セット面2席、スタイリスト1名の完全プライベートサロンだ。

ご自身のお子さんが「温かい」を「アッカタイ」と言い間違えるのが可愛くて屋号を『&acca(アンドアッカ)』とし、温かなぬくもりを持ち帰ってもらえるようなサロンにしたい、という願いも込めたそう。


客としてお店へ足を運ぶうちに、温かさが詰まったサロンや店主の岡島潤子(じゅんこ)さんの魅力をもっと知りたいという思いから、今回お話しを聞かせていただくことになった。

事務職員から美容師までの道のり

――まずは美容師になろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

岡島さん : もともとは事務の仕事をしていましたが、自分が好きなことを仕事にしたいと考えるようになり、仕事を辞めて興味があったメイクの学校へ通うようになったんです。

そして、メイクを勉強していくうちに次は髪も切れたらいいなと感じるようになり美容師の道へ進むことにしたんです。

「好き」を見つけて仕事にしていくストーリーが気になる

――そのような心の動きがあったのですね。実際にどのような道をたどり美容師になられたのですか?

今では珍しいと思うのですが、当時は資格がなくても美容室に就職する事ができました。その頃、既に一人暮らしをしていたこともあり、働きながら通信教育で美容師資格を取りたいと考えました。

開店前は早朝からシャンプー練習、閉店後は深夜までカット練習に励み、働きながら資格取得の勉強をする日々はとても大変でしたが、お客様と接する時間はとにかく楽しくて、人と話すことがどんどん好きになっていきました。

修行時代に身に付けた丁寧なカット捌き

その後、晴れて美容師資格を取得し本格的に美容師として働くことに。ご縁が重なって東京都豊島区目白のお店で店長として働かせていただくことになりました。

途中、働き方の変化や結婚、第一子出産などもありましたが、通算10年ちょっとそちらで働かせていただきました。そんな中、第二子を妊娠したタイミングで自分でお店をしよう、と思うようになりました。

妊娠中に独立を決断、そして開店準備

――独立をご決断されたのは第二子授かり中だったんですね!なぜそのタイミングでのご決断だったのですか?普通なら仕事を緩やかにしていこうと考える時期ですよね。

普通はそうですよね。私、とにかく元気な妊婦だったんです。

お腹はどんどん大きくなって行動に制限がかかってくるけど、頭では考えることはできる。産んでからは大変になるし今しかない!と思いました。二人の子を働きながら育てていくには、自分が自由に働けるお店を持つ事が1番だと考えました。

――母親としての立場から最良な働き方をお考えになられたのですね。同じ母としてその決断力や行動力を尊敬します。では、なぜこの場所にお店を出したいと思ったのですか?

長く働かせていただいた場所である目白と雰囲気が似ている浦和が良いなと思っていたんです。自宅から自転車で20分以内、10坪以下、1階、と条件がはっきりしていたからか物件はすぐ見つかりました。

大家さんが元々この場所で魚屋さんを営まれていて。

気配り上手でとても素敵な方だったので、この場所でお店をやればきっと大丈夫ではないかと直感的に感じたことも大きな決め手になりましたね。

内見してからトントン拍子で話が進んでいき、あっという間にお店が完成しました。

元魚屋さんを改装した店舗。茶色のひさしに白いハサミのロゴがシンプルで可愛らしい

気づけば開店5年目突入

――実際に開店されてみていかがですか?

雇われていた時は売り上げやリピート率などの数字を意識した仕事を求められていましたが、独立してからはお客様に「来てよかった」と感じていただけたら幸せだな、と思うようになりました。そしてまたお会いできたら、こんなに嬉しいことはありません。

お客様のこと、そしてお客様との時間を大事に想いながらお店に居るひとときは本当に充実しています。

接客している時間を心から楽しんでる岡島さんの様子が伝わってくる

――力を入れているサロンメニューはありますか?

マッサージやシャンプー、ヘッドスパなど、リラックス効果があり血の巡りが良くなるメニューですね。健康には血流を良くして自然治癒力を高めることが欠かせないと思っています。血流を良くするメニューでリラックスしていただき本来の自分を取り戻すような感覚になってもらえたら嬉しいです。

「自分を大事にしているな」という感覚になってほしい

――今後、お店がどんな風になっていったらよいと思われますか?

例えるなら「お客さんに合わせて本をセレクトしその内容をお伝えする図書館」のようにしていきたいと思っています。

大きな窓からは光がたっぷり差し込みグリーンたちも生き生きとしている

――図書館ですか?それはどういうことなのでしょうか。

お客さんの話を聞いて本にしていくんです。その本たちがここにたくさん並んでいる。そして別のお客様が思い悩んでいる時に、並んでいる本の中から最適だと思った本の内容をお伝えするようなそんなイメージの図書館にしたいと思っていて。

――なるほど、それは素敵な図書館ですね。そういえば私が客として伺った時にも、まさにそのような接客をしていただいたことがありました。当時は思い悩んでいた時期だったので、なんだか心が軽くなった感覚に。店名の由来通り、とても温かなサロンですね。

そう言っていただけると嬉しいです。私は自分のお客様のことをお一人お一人自慢に思っています。そして、お客様あっての自分だなぁと感謝の日々です。今日、お話させていただく中で、あらためて私は人と接することが好きなんだなと、実感することができました。

人って私自身もそうなのですが、自分を大事に出来ている人って少ないと思うんです。なので&accaでのカットや会話を通じて髪や心が整うことはもちろん、「自分の事を大事にする気持ち」や「自分自身に還る感覚」を大切におもっていただけたら嬉しいな、と思います。

編集後記

お客様の事を嬉しそうにお話してくださった岡島さん。

例えば、二人の幼い娘さん達を家族のようにとても可愛がってくださるご高齢のお客様や、お庭で取れたジューンベリーをお裾分けしてくださったお客様。

それ以外にも店内にはお客様からのいただきものが大事に飾られていて、お客様に愛されている岡島さんの温かな人柄の良さが伝わってくる。

お客様にいただいたモノたち。可愛く飾られたジューンベリーも嬉しそう

美容室がとても多い浦和界隈だが完全プライベートサロンとなると意外と少ない。忙しい日々の中で、忘れがちな自分自身を大切にするということ。

髪も、そして心も整う神社近くのパワースポットのようなサロンで日常の慌ただしさから心を解放し「自分を大切にする時間」を過ごしに定期的に訪れたい。仕事、家事、育児に追われ、いつも自分が後回しになっている方も多い気がする。そんな方たちの心のより所になる場所ではないかと感じた。

&acca
アンドアッカ
住所:埼玉県さいたま市浦和区岸町6丁目2-3
お問い合わせ:048−708-5312
営業日時:10:00-17:00 時間外要相談
定休日:不定休
Instagram : @acca.2020_2060
書き手
maiko

宮城県仙台市出身、浦和区在住。文章を綴る作業や季節の丁寧な手仕事が好き。思春期姉妹の子育てに奮闘中、文教都市ならではの教育の悩みも。忙しない日々の中でホッとしたり、いい気持ちになれる場所を探し、温かな情報をお届けしたいと思っております。

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